想いの押し売りをしない
突然に思い出したことを、つらつらと。
「うちはお芋を洗うのも手作業、そのほかも基本的に手作業でやってるんです」と、以前見学させて頂いた芋焼酎を作る酒蔵の方が言っていた。
「でも、それを特には言わないし書かないし伝えないようにしています」と。
手作り=良い!機械=悪!みたいな風潮が(私は)どこかあると思う。
当時私も想いあるものを!とか、丁寧に作られたものを!とか強く思っていたタイプ。
そんな時の酒蔵さんのこの言葉はガツンとやってきた。
「どこの酒蔵さんも美味しいものを作ろうと、お客さんに喜んでもらおうと試行錯誤している。機械をいれると品質があがったり、少し安く提供できたり、効率がものすごいあがったりする。それが企業努力。その一方で手作りですよとうたってしまうと、そのほかの酒蔵さんの印象を悪くしてしまう可能性がある」
企業努力、そうか、そうだよなあ。
みんな喜んでもらえるように努力していて、その一つが機械を入れるということかもしれない。機械=悪と思っていた私はとても恥ずかしくなった。
ストーリーが見えにくい、と友達がコンサルの人に言われたと相談してきてくれた。
イジメにあってたからイジメを世の中からなくしたい。
親のトラウマがあるからそれを解放する方法を伝えたい。
自分の経験は、ものごとを起こす時のものすごいエンジンになると思うし、分かりやすいから共感も得やすい。
でも彼女の楽しそうだから、でもいいんじゃないかな、とも思う。ホワイトなエンジンでも、軽やかにぶんぶん進めるんじゃないかな、と。(私もこのタイプだからそう信じたいというきもちもきっとある)
想いの起源がなんであっても、手作りでも機械でも、そこから生み出されたプロダクトが愛が詰まっていて、触れた人が嬉しくなっちゃうものならば、いいんじゃないかなあ。
よいものを届けたい、というそのキモチ。
当たり前のようにみんなが持ち続けられる世界がいいなあ。